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前回は、バンティングがあらゆるダイエットの最後に、糖質制限を行い痩せることに成功。その体験を本にしてベストセラーとなった裏で、糖質制限ダイエットを考えたハーベイ医師が、同業者からのバッシングに遭ったというお話しをしました。

ハーベイ医師はなぜバッシングを受けることになったのでしょう?

 

■太った患者には、カロリー制限だろ!


古代ローマ時代より、2000年にわたって人類は「何を食べれば痩せるんですか?」と子供が流れ星に願いを込めるように唱えてきました。
その度に専門家とよばれる人たちは、「だからお前は太るんだ!減らせ!!食う量を減らせー!!!」と大雑把な答えしか与えませんでした。

いわゆる、「カロリー制限すれば痩せる」という主張です。

しかし、糖質制限ダイエットの生みの親であるハーベイ医師は違いました。

ハーベイ医師は、パリで開かれた学会で当時としては最新の理論を学んだ結果、バンティングに「炭水化物を制限すればやせる」と具体的なアドバイスをしたのです。逆に言えば、カロリーのことはとやかく言わないから、炭水化物以外なら何でも食べていいという方針でした。

その結果、あれほど肥満に苦しんだバンティングは見事ダイエットに成功し、そのことを書いた本は大ベストセラーになりました。

 

■黙殺された糖質制限ダイエット


同業の医者達は「なんで、炭水化物を制限すると痩せるんだ!? 太った患者には、カロリー制限だろ!」と猛反発しました。

実際、朝からベーコンや牛肉を食べるという斬新なバンティングの食生活で、どうして痩せるのか当時の医学の常識では、科学的な根拠が全く説明がつかなかったのです。

すると当然、「分からない」では医師の威厳にかかわるので、臭いものには蓋をしてしまえ、という事で、バンティングのダイエット法は黙殺されました。

しかし、嫉妬深い研究者の性質か、今度は「素人のバンディングがそんな知恵をつけるはずがない。いったい、誰がそんなことを言い出したんだ?」といって、犯人探しが始め、あっさりとハーベイ医師の存在を見つけ、今度は彼に自分達の無知を隠す為の矛先を向けました。

というのも、バンティングのダイエット本の最終ページに、ハーベイ医師に対する多大なる感謝の言葉と、さらには診療所の住所まで、ご丁寧に掲載されていたのです。

「ハーベイの野郎かぁぁぁ!!!」

こうして、可哀そうなことにハーベイ医師は同業者達に弾劾され、窮地に追い込まれ、糖質制限ダイエットも歴史の流れに埋没していきました。

 

やがて20世紀に入り、富裕層に見られるようになった肥満が、広く一般に蔓延し始めると、雨後の竹の子のように、次から次へと新たなダイエット法が登場することになります。

「炭水化物を控える」というバンティング式ダイエットも、アメリカのアトキンス博士が再発見し、その名も「アトキンスダイエット」として、2000年代に大流行することになったのでした。

いまやダイエットをする人のほとんどが知っている糖質制限ダイエット。こんな歴史があったなんて、知っていましたか?