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私は長い間スポーツ医学とリハビリを学んできましたが、いつも悩まされていることがあります。それは、どんなに傷害予防のトレーニングを行っても、防ぎきれない傷害というのが山のようにあることです。

特にコンタクト(接触のある)スポーツにおいては、どんなに完璧に準備をしていても、ぶつかった衝撃で負った傷害によって、選手生命を絶たれてしまう方もいるのです。

しかし、ひとつだけ100%防げる傷害があるのをご存知ですか?
それはご存知「熱中症」です。熱中症は、知識さえあれば100%防ぐことができるんですよ!

7月・8月は、1年間で最も熱中症が増える季節。正しい知識で、運動にダイエットに遊びに励んでみてはいかがでしょうか。

 

■自分の脱水状態をチェック!

まず覚えておいて欲しいのは、「脱水」は熱中症の危険が非常に高いということ! という事はまずやるべき事は、そうです、水を飲む!! です。

ところで、自分自身が脱水かどうかを知る一番のツールは尿。
水分が十分であれば、尿の色は無色透明から少し黄色がかった色ですが、脱水状態であると、濃い黄色もしくは麦茶のような茶褐色になる事もあります。


まず自分がどの程度脱水なのかを把握しましょう。

 

■脱水時、何を飲む?

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飲むべき水分には、カフェインとアルコールは含まれません。それは、両者ともに利尿作用があるからです。


ときどき水分と一緒に塩を摂らないと意味がない、というような事をおっしゃる方もいますが、ペットボトルで売られている水の多くは、すでに塩分(ナトリウム)が含まれていますし、日本の水道水にはナトリウムが含まれている場合も多いんです(自治体によって変わります)。


熱中症対策には、まず体内の絶対的な水分量を上げる事が最重要課題なので、緊急時を除いては、まずは水分摂取を優先させてくださいね。
 

■熱中症はこうして進む…!

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熱中症の症状は、三段階に分けられます。

熱けいれん : Heat cramp

これは水分の不足と、エレクトロライトと呼ばれるイオン(ソジウム、カルシウム、ポタシウム)などがアンバランスになることが原因で起こると考えられています。
 
■症状
強烈な痛みを伴った筋肉けいれんが(特にふくらはぎやお腹)起こる
 
■処置
  • 涼しい場所、日陰や木陰などで水分を大量に補給する
  • けいれんが起きた部分のストレッチと、できればアイスマッサージを行う
  • 一度けいれんが起きると、同じ部分が再度けいれんを起こす事が多々あるので注意する
 

②熱疲労 : Heat Exhaustion

これは熱中症の第二段階で、過度の脱水症状や体調不良(病気、下痢など)が原因で起こると言われています。
 
■症状
  • 大量の発汗
  • 顔が青白くなる
  • ふらつき、めまい、頭痛、口の周りおよび舌の渇き
  • 呼吸と脈拍の上昇
  • 直腸体温が39度以上
 
■処置
  • 太陽がなるべく当たらない涼しい場所で大量の水分を補給する
  • わきの下、首の周り、膝の裏、股関節など動脈が表層近くにある場所を重点的にアイスパックや濡れタオルで冷やす
 

③熱射病 : Heat stroke

これは体の体温調節機能が働かなくなる事によって、中枢神経などに障害をきたすもので、完全な医学的緊急事態(救急)です。脳障害が起きることや、最悪の場合死にいたる可能性もあります。
 
■症状 
  • さっきまで大量の汗をかいていたのが突然渇き、そして青白かった顔が赤くなる
  • 直腸体温が42度を超えた場合はかなり危険な状態である
  • 頭痛、吐き気、めまい、下痢、意識不明
  • 脈拍は速くそして強く、まれに弱くなる
  • 血圧は体の水分が失われたために下がる傾向がある
  • 熱疲労から熱射病へは突然移行する
 
■処置 
  • 早急に救急車でICUやCCUの施設があり内科医が常駐する救急病院へ搬送する
  • できるだけ熱源(太陽)から遠ざけ、着ている衣服を脱がし、早急に体中を冷やす
  • 熱疲労で述べた場所、部位を重点的に冷やす
  • 扇風機、タオルなどを使って体中に風を送る事も、氷や濡れタオルとの併用で効果的

 

素敵なサマーをエンジョイしたい! と思っていても、無理をしすぎて熱中症になってしまえば元も子もありません。「素敵な夏には、まずは水分補給から」を徹底して、この夏を楽しみましょう!