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近頃、海外発信のダイエット法がよく世に出回りますよね。
ハリウッドセレブがやっている。著名なスポーツ選手がやっていて、こんな効果を発揮したなど、そういう情報が入ると、とりあえず試してみる方も多いのではないでしょうか。

最近だと、グルテンフリーダイエットなんて言葉をお聞きになった事はありますか?

これは、テニス世界ランキングでトップランクに君臨する、ノバク・ジョコビッチ選手がこのダイエットを行い、パフォーマンスが飛躍的に上がった事で一躍有名になった方法です。

これは、簡単に言えば小麦を摂取しないダイエットで、小麦や大麦から生成されるたんぱく質(=グルテン)を摂取しないようにするというもの。しかし、これって本当に我々日本人にも効果的なのでしょうか?
 

■日本人は海藻もしっかり吸収してしまう?
 

2010年4月、科学雑誌Natureでにわかには信じがたい衝撃的な発表がありました。

それは、海藻、いわゆるノリやわかめ等を消化吸収できる腸内細菌を持っているのは我々日本人だけである、というものでした。
出典“Transfer of carbohydrate-active enzymes from marine bacteria to Japanese gut microbiota.” By Jan-Hendrik Hehemann, Gaelle Correc, Tristan Barbeyron, William Helbert, Mirjam Czjzek, & Gurvan Michel. Nature, Vol. 464 No. 7290, April 8, 2010.

フランスの生物学者達によるこの発見により、人種による腸内細菌叢(腸内フローラ)の違いが、特定の食物に対する消化吸収の違いにつながることが明らかになったのです。

つまり、海藻は摂取カロリーがほぼゼロに近いというのが通常の考え方ですが、もしこの論文が正しければ、多くの我々日本人は、海藻やわかめもしっかり消化吸収するので、ある程度カロリーを摂取しているということになるのです。

それにしても、我々日本人しか持っていない腸内細菌をフランス人が発見するなんて、とても興味深いですね。
 

腸内フローラについての記事はコチラ!
天然の痩せ薬? 食物繊維と痩せ型腸内フローラの関係

 

■人種によって食物の消化吸収傾向は違う!?
 

私は腸内フローラをアスリートの為に解析をする会社の取締役をしています。

そこであったさまざまな発見により、我々農耕民族であり米が主食の日本人が、小麦を摂取しない、すなわちグルテンフリーダイエットを行っても、多くの場合はこの腸内フローラの違いによってあまり効果がないのではないではないか、と私は仮定しています。

欧米で小麦を栽培し始めたのは約15,000年前。一方日本では、約2,000年前の遺跡から小麦が発見されてはいるものの、高価な臼が普及しなかった背景もあり、いわゆる一般庶民がうどんやほうとう等を食べるようになったのは、江戸時代に入ったわずか数百年前からだと言われています。

四方を海に囲まれる日本では、おそらく日本列島が誕生したと言われる約2万年も前から、海藻をきっと摂取してきたはずです。そこから長い年月をかけて、我々の腸内フローラは海藻を消化・吸収できるようになったと考えられるのです。

という事は、腸内フローラを元にした考えでは、このグルテンフリーダイエットの効果が最も顕著に表れるのは、小麦を長い間主食にしてきた欧米人だけであり、我々日本人にはあまり効果のない方法なのではないでしょうか?

本当の答えは、実験や検証結果をもう少し待つ必要がありますが、もしこのようなダイエット方法で本当に日本人に効果が出るとするなら、米抜きダイエット(ライスフリーダイエット)的なものを推奨する方が現れるかもしれませんね。