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およそ数百の老化要因を抑える作用があるという長寿遺伝子サーチュインですが、なかなかそのスイッチが「ON」にならない、ということを前回の記事で紹介しました。今回はこのお寝坊さんの遺伝子を、一番効率よく起こす方法を紹介いたしましょう。


現在この長寿遺伝子を「起こす」ことができるとわかっている方法は下記の3つです。
①    摂取カロリーを約70%に制限することをとりあえず7週間続ける
②    レスベラトロールを摂取する
③    中強度の運動を20分ほど継続する

①と②は前回もお話したように、ほぼ間違いなく実現が難しいでしょう。そうなると我々の選択肢は③しか残らないということになります。

しかしこの方法は、2012年にスウェーデンのカロリンスカ研究所によって「1日20分程度の中強度の運動を2カ月続けることで、長寿遺伝子のスイッチが入る」ことが証明されている方法。試してみる価値があるのではないでしょうか。

 

■いざ挑戦! でも中強度ってどれくらい?

 

さて、実際にやってみようと思ったとき「20分」という時間はわかりやすいですが、一方で「中強度」とはどのくらいの運動か分かりにくい。

そこで紹介したいのは「やってはいけないウォーキング」の著者であり、東京都健康長寿医療センター研究所の青栁 幸利さんという方です。

青栁さんは群馬県中之条町の65歳以上の全住民5,000人を対象に、15年以上にわたり、身体活動と病気予防の関係についての調査を実施されました。

その結果、健康という観点からは「ほどほど」のウォーキングが良く、具体的には1日8,000歩程度が丁度いいという結果を導き出しました。

この結果を受けて住民が1日8,000歩のウォーキングに取り組むようになったところ、中之条町の医療費が、2012年には一人あたり月間、2316円だったものが、調査後の2014年には1626円に減少したのです。

運動の強さの話に戻りますが、ただ、だらだらと歩いているだけでは運動の強度は「弱強度」です。


ほどほど=中強度の運動というのは、青柳さんによると「やっと会話ができる程度の速さ」なんだそう。この方の推奨されている約8,000歩を歩くためにはだいたい70~80分かかり、距離にして6km程度になります。このうちの20分間を「やっと会話ができる程度の速さ」で歩けば良いという事ですね。

■長寿だけではない! ウォーキングの効果はここにも!


ウォーキングを始めとするアクティブケアには、長寿遺伝子を活性化する事以外にも沢山の利点があります。
・心疾患のリスク軽減
・血圧コントロール
・コレステロールの調整
・Ⅱ型糖尿病、脳梗塞、うつ、関節炎、転倒、メタボリックシンドローム等の予防
・ダイエットや体重のコントロール、理想の体型へのアプローチ
・気持ち(心)の安定
※アクティブケアの多くは、脳内の化学物質を増やす傾向にある(幸福感、リラックス、自己評価向上)
・細胞エネルギーの向上
・筋力、筋スタミナアップ
・酸素/栄養素を細胞への運搬力アップ
・入眠がスムーズ化、深い睡眠、夜間就寝(中途覚醒を防ぐ)
・痛みのコントロール

などなど、挙げると本当にキリがありません。


歩くのって凄くないですか?
こんなにたくさん効果が得られるなんて!

実は上記した効果の根拠も挙げることができます。
①    血流が良くなる
②    細胞内でエネルギー(ATP)を作ってくれるミトコンドリアの活動が上がる
③    筋力がアップして弱い所、痛む所を段階的に守ってくれる
④    お日さまに当たる事で良い入眠効果が得られる(メラトニン等の分泌促進)
⑤    多くのホルモンの適切な分泌に良い影響を与える


<まとめ>


「ウォーキングは40分以上やらないと意味がない」というような事を言う人がいますが、決してそんなことはありません。

たった5分でもウォーキングに行けば、帰るために更に5分かかるので計10分歩きますよね。20分でも、片道たった10分でいいんです。「忙しいしウォーキングなんてできない!」と言う方は、通勤の時間ならやりやすいかもしれません。

もちろん、厳格に効果的・効率的に行うなら30~40分以上ウォーキングを行う方が良いでしょうが、やはり最終的に大事なのは、それをどうやって継続するかという事になります。

たとえ回り道に見えたとしても、最後の勝者は「コツコツさん」以外には存在しないのです。その上で、約8,000歩を中強度で歩く事を少しずつ目指すのがベストなのかもしれません。

さあ、今日からあなたもコツコツさんを目指してウォーキングに行ってみませんか?